〜淡水魚〜

このセッションでは、3つのコンセプト水槽をご紹介させて頂きます。

熱帯魚水槽/Inland of Mountain
一つ目は、アマゾンの山中をテーマにした【熱帯魚水槽/Inland of Mountain】です。この水槽では、レイアウトにさまざまな種類の水草や火山石、流木を用いて秘境のなかに在るオアシスをイメージして創り上げました。ポイントは、ミシシッピニオイガメと小魚(カラシン)達の混泳と水槽の中心を優雅におよぐグラミーやシクリッドに混じって、たまに顔を出すセルフィンといったように様々な生き物たちが、それぞれの生活をひとつの水槽のなかでしているところです。縄張り意識の強い魚や体格のある生体を混泳させていますが、共食いや小競り合いはありません。その理由は、水質を汚さない適量のエサと魚たちがストレスを感じないように環境を常に整えることです。また、魚の特性を考えながら、レイアウトを工夫することによりそれぞれの居場所をこちらから決めてしまえば小競り合いはほぼ起こらないでしょう。もちろん、同種の場合でも個体によって差はありますので、見極めることも大切になります。

深海風水槽/Sea of the Dream
大海原を優雅に泳いでみたいと思ったことはありませんか。私がアクアリウムをはじめたきっかけに海に憧れたという経緯があります。一般的にアクアリウムというと映画の影響からカクレクマノミやハギなどの海水魚を連想するのではないでしょうか。こちらの水槽では、そんな深海世界を淡水魚で表現しています。もちろん、見た目だけではなくきちんと淡水魚が生きている環境を実現するものでなくてはなりません。たとえば、サンゴや石灰岩には炭酸カルシウム成分が含まれているため、硬度が上がり水質をアルカリ性に傾ける性質があります。そのため、使用するレイアウト用品は、事前にじっくり酸処理をおこない、定期的なpHの測定および中性剤の投与など定期的なメンテナンスが不可欠になります。しかし、コツを掴めば不可能な話ではありません。実際、こちらの水槽の淡水魚たちは元気に泳ぎ回っています。なかなか見れない夢のような光景を、お楽しみください。

日本庭園/-和-なごみ(Japanese Aquarium)
最後の水槽は、文字通り『和』のテイストを踏んだんに盛り込んだ水槽になります。日本三景といわれる宮城県の松島、京都府天橋立、広島県宮島(厳島)はすべて海のもとにあります。私の育った大阪府も「水都」として古くから商人の町として栄えています。このように、日本と海・山・水という関係は随所に表れています。私のイメージする日本の水がある風景は大海原に原色のヨットが浮かぶようなものではなく、漁船や山奥の滝壺が佇む景色です。今回は、そんなおくゆかしくも力強い日本の水がある風景を再現しました。

アマゾン樹海水槽/Mystery of Amazon
この水槽は一番新しく、アマゾンの樹海をイメージして作られた水草メインの水槽です。底砂は砂利ではなくソイルを用いて、底面フィルターと内部ポンプ式フィルターで内部の水を濾過しています。使用されている水草はおよそ20種類、投入している天然流木にはウィローモスを活着させています。メンテナンスには、ヤマトヌマエビをはじめとしたいわゆるコケ取り生体を重視しし、観賞魚にはシクリッドやディスカスなどの大勢での混泳を好まないタイプの魚を中心に構成しています。様々な水草によって神秘的なアマゾンの奥地を思わせるレイアウト水槽を、是非お楽しみ下さい。